◆列島縦断ニュースハイライト◆
【北海道発】
■1996年2月、20人の犠牲者が出た北海道積丹半島の豊浜トンネル崩落事故で、犠牲者7人の遺族らが「国のトンネル管理などに問題があった」として国家賠償法に基づく訴訟を起こしていた裁判で札幌地裁は3月29日、遺族側の請求を一部認め、国に計約4億4948円の支払いを命じる判決を言い渡した。
しかし、遺族側が判断を求めていた事故の予見可能性の有無などについては「国の責任を判断することは実益を欠く。予見が可能だったかどうかも決し難い」として、判断を示さなかった。遺族側は、「現場付近の地盤はもろく、トンネルの設置自体が誤りだった」と指摘した上で、事故の4年前に付近で約300トンの岩が落下したことなどを挙げ「事故の前兆で、国は事故の予見と対策が可能だったのに、地盤の調査をしないなど、トンネルの管理を怠った」と主張していた。
これに対して国は、事故の約30分前にトンネル内で土砂の落下を目撃した人がいたのに、緊急通報システムの使い方が分からず、通報が遅れた点については落ち度を認めて賠償に応じる姿勢を示したものの、事故の予見可能性の有無や責任については、「岩盤崩落は予見不可能で、予防策を講じなかったとしても、落ち度とはいえない」と反論していた。
事故をめぐっては、北海道開発局小樽道路事務所の元幹部2人が、業務上過失致死傷容疑で書類送検されたが、札幌地検は「事故の予見は困難だった」として、最終的に嫌疑不十分で不起訴としている。
提訴に加わらなかった遺族らと北海道開発局との間では、補償金を支払うことで示談が成立している。
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【北海道発】
■経営不振に悩む北海道の航空会社エア・ドゥが、昨年11月から羽田空港と新千歳空港の着陸料や停留料などの空港使用料を滞納し、その総額が5億円近くにのぼっている模様。
エア・ドゥは98年12月、格安運賃を売り物に羽田〜新千歳路線に参入して脚光を集めたが、大手航空会社が特定便割引などで対抗したことから、一気に集客力が落ちた。
着陸料は、車のパーキングとはわけが違い、同社が使用するボーイング767で、羽田空港が1回につき約24万円、新千歳空港が約16万円。空港内での停留料は約1万円。このほか、レーダーや無線設備などの利用料が1回につき約20万円強。同社は現在、1日6往復便を運航、空港使用料の総額は月1億5000万円余にのぼり、滞納は2000年11、12月分の計約3億円余と1月請求分の1億5000万円余。
支払期限を過ぎた国の債権については、仮差し押さえなどの手続きが法律で定められているが、国土交通省では、「現在、経営再建に取り組んでおり、信頼するしかない」と、しばらくは滞納を見過ごして静観する構え。エ ア・ドゥは北海道から10億円の融資を受けて支払いに回す予定だが、焼け石に水?