狂牛病感染でアメリカ産牛肉の輸入を全面停止。
アメリカで狂牛病=BSE感染の乳牛1頭が見つかったことを受け、農林水産省と厚生労働省は2003年12月24日から、アメリカからの牛肉や牛肉加工品などの輸入を全面停止することを決めた。すでに国内に流通しているアメリカ産牛肉については脳や脊髄などの特定部位が混入しているおそれがあるものについては回収する。
国内消費量の約6割が輸入牛で、アメリカからのものが全輸入量の半分近くを占めていることから、今回のアメリカ産牛肉の輸入全面停止で、特に外食産業などへの流通の混乱が発生している。
牛肉の値上がりは中長期的には避けられない見通しで、政府は国内供給に備えてオーストラリアとニュージーランドからの輸入拡大を検討するなど需給対策に着手すると共に輸入牛肉の検査体制の早期確立を急ぐ構えだ。「脳や脊髄(せきずい)などの特定危険部位が混入しなければ、牛肉を食べたからといって、すぐに感染の危険性を心配する必要はない」と言われているが、これまで未発生だったアメリカから輸入した牛肉などは、検査を受けることなく、市場に出回っていることから、しばらくは混乱が予想され、消費の減退は必至だ。
狂牛病=BSEは、1986年にイギリスで初めて確認された。96年にイギリス政府が、狂牛病は変異型ヤコブ病として人間に感染することを認め、対策に乗り出したが、2000〜01年には欧州全土に狂牛病が拡大し、パニックとなった。2001年9月、日本初の感染牛が千葉県白井市で確認され、感染源とみられる肉骨粉の国内流通が全面禁止となった。その後、食肉用牛の全頭検査を決定するなど国内でも狂牛病パニックが起こった。2003年になって沈静化したかに見えたが、5月にカナダで93年以来2例目の感染牛が確認され、続いて11月、広島県福山市で西日本初、日本で9頭目の感染牛が確認された。そして12月、アメリカのワシントン州で感染牛1頭が発見された。
感染牛の月齢など詳細な背景は不明で、農水省は、アメリカ政府の現地調査とその報告を受けてから、専門官を現地派遣し独自調査する方針だ。(03・12/24)●感染牛のDNA鑑定の結果としてアメリカ農務省は2004年1月6日、アメリカに輸入されたカナダ産であることが確認されたと発表。カナダ政府も同様の発表をした。
●「感染牛はカナダ産」と結論付けられたことで、アメリカ政府が米国産牛肉の輸入禁止国に対し、早期の禁止解除を迫っているが、現地調査した合同調査団は2004年1月19日、「米国のこれまでのBSE対策は不十分で、今後も発生しない保証はない」とする報告概要を発表した。
合同調査団は「BSEが発生した牛にカナダで与えていた肉骨粉が米国にも輸出されていた可能性があり、米国で肉骨粉がほかのえさに混ざって感染の原因になる交差汚染などの可能性を否定できない」と指摘した。
今回の調査で、感染牛はカナダのアルバータ州で1997年4月に出生したホルスタインの雌牛と確認。2001年9月、同州からほかの80頭の牛とともに米国に輸出された。感染牛と出生農場で一緒だった同居牛は57頭おり、このうち25頭が感染牛と一緒に米国に輸出されていた。 出生農場では97年当時、肉骨粉を含む配合飼料が使われていたことも判明した。
また、米国は97年8月以降、牛の肉骨粉を牛の飼料として使うことを禁止しているが、実効性は不明であることも分かった。BACK 「健康食品」や「サプリメント」製品の摂取が原因と疑われる健康被害が多発。
最近、「健康食品」や「サプリメント」製品の摂取が原因と疑われる健康被害が多発している。
厚生労働省に都道府県等から2003年12月22日までに報告された事例は、266人にのぼり、肝機能障害の例が65人にも達した。そのうち49人が女性で、25人が入院に至るなど、深刻化しはじめている。主に中国から個人輸入されて販売されたダイエット用健康食品の摂取による健康被害が続発し、死亡、肝障害、甲状腺機能障害などが多数発生。『繊之素膠丸』の肝機能障害例では2人のうち1人が死亡、最近では、中国産のコケを乾燥させて作ったダイエット茶「雪茶(ゆきちゃ)」が原因と疑われる肝機能障害の健康被害があり、2人のうち1人は入院するなど、健康を求めていながら突如、病院へというケースが続いている。
「健康食品」や「サプリメント」製品の中には、医薬品の成分を含む無承認無許可医薬品や、原材料表示からは分からない成分を使用しているものがあり、購入の際は、潜在的なリスクが存在することをあらかじめ認識し、製品情報や健康被害の発生情報の把握も忘れないようにする必要がありそうだ。
また最近では、中国製品のほか、欧米諸国でも、エフェドラを含有する製品の摂取による心臓発作、心拍異常などの重篤な健康被害が報告されている。この成分は、ダイエットを目的とした成分として、海外で使用されており、日本では「医薬品成分」とされているマオウにあたる。
その他、カバ(kava、カバカバkaba−kaba)を含有する食品で、ヨーロッパを中心に死亡例や肝移植を含む肝障害の健康被害が発生しているケースや、ステロイドが含有された健康食品、血糖値を下げる「グリベンクラミド」を含有する健康食品、腹痛や下痢をおこすセンナの葉や葉軸を含有するダイエットティーなどがある。(03・12/22)BACK 新米、高値傾向が鮮明に、自主米入札は全銘柄平均で3割高。
全国の銘柄が出そろい、上場数量も10万5000トンと本格的な取引が始まった自主流通米価格形成センターでの2003年産自主米の6回入札取引では、不作による品薄感から全66銘柄の平均落札価格は60キロ当たり2万959円になり、前年同期比31%高となった。
新潟・魚沼産、福島・会津産などの「コシヒカリ」は、高価格帯を敬遠する消費者が多く、店頭での売れ行き不振から反落したものの高値取引が続いている。
低価格志向を受け、北海道や青森産など割安感のある銘柄に買い手が集中する傾向にある。卸・小売価格動向としては、卸売価格は前年同期に比べ10〜40%高、小売価格も10〜30%高で、高値基調が続いている。
小売価格で前年を大きく上回っているのは茨城、千葉、富山の「コシヒカリ」。いずれも30%高だ。ちなみに、魚沼産コシヒカリは、10キロ精米消費税込みで卸価格が約6900円前後、小売価格が8700円前後と、昨年より1000円以上(10キロ精米)も上昇している。(03・10/26)
●国産新米時期10月の販売数量は、政府米と自主流通米を合わせた販売量が63万5000トンで、前年同期に比べ38%増。政府米が前年の6・6倍(22万4000トン)で、不作による新米の出回り遅れや値上がりで、政府米の需要が拡大している。
BACK 遺伝子組み換え作物を輸出入する際の国際協定、生物多様性条約「カルタヘナ議定書(バイオ安全議定書)」9月中旬、発効へ。
遺伝子組み換え作物を輸出入する際に必要な国際協定、生物多様性条約「カルタヘナ議定書(バイオ安全議定書)」の批准国が、発効に必要な50カ国に達したことから、2003年9月中旬にも議定書が発効されることとなった。
条約は、自然界には存在しない遺伝子組み換え作物の種子や花粉が広がらないよう、生態系への悪影響を防止することが目的。議定書では、遺伝子組み換え作物を輸出する国側が、輸入する国に情報を提供し、輸入国の規定にそった事前同意を得ることなどを義務付けた。
日本では「遺伝子組み換え生物の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律」が衆院本会議で賛成多数で可決、成立。
組み替え生物の輸入や屋外での栽培などの際に国の承認を受けることや、実験施設で使う場合に拡散を防ぐ措置をとることを義務づけた。国は緊急時に立ち入り調査や回収命令を出すことができ、違反には1年以下の懲役や100万円以下の罰金も定めた。
政府は政省令を整備し、今秋にも生物多様性条約カルタヘナ議定書を批准する。組み換え作物の最大輸出国アメリカは、温暖化防止のための京都議定書と同様に不参加を決定。「知的所有権や企業活動の自由が侵害される」として条約や議定書を批准しない方針を打ち出している。(03・6/14)
BACK 魚類から摂取する水銀による人体への悪影響を防ぐため、妊婦らに厚労省が注意を呼びかけ。
魚類に蓄積するメチル水銀が、胎児や乳児の精神発達などに影響を及ぼすことから、厚生労働省は6月3日、妊婦らに対する具体的な呼び掛けを実施することを決めた。
欧米などが、水俣病などを教訓にして魚類から摂取する水銀による人体への悪影響を防ぐため、妊婦や授乳期の女性らに摂取を控えるよう勧告を出していることに対応したもので、厚労省は「カジキ、キンメダイなどに含まれる水銀が胎児に悪影響を及ぼす可能性がある」として、妊婦は食べるのを週2回以下、食事1回当たりの摂取量を60〜80グラムにするよう今後、注意を呼びかける。
検査結果によると、検出されたメチル水銀はメカジキから平均0・71ppm、キンメダイは0・58ppmで、平均的な摂食量の60〜80グラムにあてはめると週3回以上で国際機関が定める許容量を超えるおそれがある。
このほか、いずれも妊婦を対象に、ツチクジラ、コビレゴンドウ、マッコウクジラ、サメは週1回以下、バンドウイルカは2カ月で1回以下に制限するように求める。厚労省が、特定の魚について食指導をするのは初めて。
マグロについては0・74〜1・08ppmと濃度が高かったが「日本人の平均摂取量(1回あたりの摂食量が20グラム程度)からすると問題ない」として対象外とした。しかし、イギリスやカナダでは、マグロについても食べ過ぎないように妊婦や授乳期の女性らに指導している。
工場などから垂れ流された有機水銀を筆頭に、人為的にたれ流しての水銀汚染が70%だとされているが、それのみならず自然界に存在する水銀も、バクテリアによって有毒なメチル水銀に変化すると言われている。
いずれにしても、その汚染は、食物連鎖の上位に位置するカジキやマグロ、クジラなどに蓄積することが知られている。それらの魚を食べることにより、メチル水銀が体内に取り込まれた場合、成人には影響をおよぼさない量でも胎児や乳幼児の神経発達に影響をおよぼすことが指摘され続けてきた。
総水銀とメチル水銀については1973年に暫定規制値を定めているが、これまでマグロやカジキなどの回遊魚には適用されていなかった。
厚労省は、「妊婦以外はどの魚を食べても健康への問題はない」としているが、欧米などの対応を参考に、授乳期の女性も摂取をひかえたほうがいいようだ。(03・6/3)
●愛媛大学沿岸環境科学研究センターと千葉県の山階鳥類研究所の共同研究で、魚類のみならず鳥類までもが高濃度の水銀に汚染されていることが判った。
研究グループは、親鳥が放置したと思われるクロアシアホウドリの卵34個を伊豆諸島の鳥島で採取し、内部の水銀濃度を調べた。 その結果、1グラム当たり0・5マイクログラムを超える水銀が、すべての卵から検出された。
これは、生態系の食物連鎖による汚染濃縮の典型例で、水銀に汚染された魚をエサとして食べた鳥が、その体内で水銀を濃縮したというもの。
人間のたれ流した水銀が、遠い外洋のさまざまな生物に影響をおよぼしていることから、研究グループでは、「たれ流した汚染は自然界で濃縮されるという前提に立った環境対策が必要だ」と指摘している。妊婦や授乳期の女性への摂取注意の呼びかけも必要だが、自然界に垂れ流して汚染を拡大させる人間の行為そのものへの注意勧告や、個々人の意識改革が、それ以上に必要なようだ。
BACK 有機JAS認証以外の無農薬や減農薬などで栽培した農産物について、曖昧な表示を避けるためにガイドラインを改正。
有機JAS認証以外の無農薬や減農薬などで栽培した農産物について、曖昧な表示を避けるため農水省は、特別栽培農産物に関する表示のガイドラインを改正した。
ガイドライン表示の対象となる農産物は、化学農薬、化学肥料などを慣行の5割以上減らして栽培された農産物とし、これまで無農薬栽培農産物、無化学肥料栽培農産物、減農薬栽培農産物、減化学肥料栽培農産物とバラバラに表示していたものを、一括して「特別栽培農産物」の名称に変更。特に「減農薬栽培農産物」や「減化学肥料栽培農産物」については、使用資材や使用回数などを消費者に分かる形で明記するよう促した。
比較基準は地方公共団体などが策定した慣行レベルとし、その基準から農薬使用などの節減割合を示すこととした。使用資材のうち、性フェロモン剤等の「誘引剤」は対象外で、使用した場合は使用した旨を表示しなければならない。また、害をおよぼすおそれがないことが明らかな特定農薬については、天敵と同様の扱いとし、天敵及び特定防除資材のみを使用している場合は「農薬:栽培期間中不使用」と表示し、その特定防除資材を使用したことも表示することとした。
2004年3月31日までを新しいガイドラインの普及・定着期間とし、2004年4月より本格的な施行となる。(03・5/28)
BACK 基準超えの有機リン系残留農薬検出でアメリカ産のポップコーン用トウモロコシの流通を禁止し輸入検査強化 。
厚生労働省は5月23日、ポップコーン用で使われるアメリカ産トウモロコシから食品衛生法の残留基準を超える農薬ピリミホスメチルが相次ぎ検出されたため、輸入業者に検査を命じ、違反がないことが確認されるまで流通を禁止することを決めた。輸入検査も強化する。
ポップコーン用トウモロコシ(爆裂種)には、栽培段階のみならずくん蒸でも有機リン系農薬が多投されており、危険性が指摘されてきた。
2002年12月に検査したものからは基準値1・0ppmに対して3・5ppmのピリミホスメチルが検出された。その後、5月21日に1・2ppmが検出されるなど、基準値超えが目だっていた。ポップコーン用トウモロコシの爆裂種は年間に約7000トン輸入され、そのうちアメリカ産が99%を占めていることから、流通禁止と検査強化策をとった。(03・5/24)
BACK 止まらない偽装表示、ローソンでも人気のおにぎりJAS法違反。
農産物や食品の偽装表示があとを断たないが、コンビニエンスストアのローソンは5月22日「ヒット商品のおにぎりに表示と異なる原料が使われていた」と発表した。
偽装表示があったのは、「新潟コシヒカリおにぎり」の「おにぎり屋」シリーズと「徳島産地鶏・阿波尾鶏五目おにぎり」で、2002年11月から販売していた。東北農政局などが両商品を製造していたサンデリカ仙台第一事業所に立ち入り検査をして、他県産のコシヒカリや単なる国産鶏肉が使われていたことがわかった。農水省はJAS法違反と判断、製造元のサンデリカ仙台に対して再発防止などの指示を出す。
同事業所からの主な流通ルートは、宮城、山形の両県での販売で、サンデリカ仙台から連絡を受けたローソンは、両県218店舗で販売していた「新潟コシヒカリおにぎり屋シリーズ」を売り場から撤去した。
また、ローソンは当該商品を製造している全国の工場41カ所に対して立ち入り調査を実施。仕様通り製造されていることを確認したという。「阿波尾鶏五目おにぎり」は3月17日に販売を終了した商品だったが、新潟コシヒカリのおにぎり屋シリーズは人気が高く、全国約7600店舗で販売以来2003年4月までの6カ月連続でおにぎりカテゴリーの売上高前年比120%以上を記録、販売個数では11月からの累計で約3億個を達成するなど、ローソンオリジナルのブランドおにぎりとして看板になりつつある商品。
農産物や食品の世界のみならず言えることのようだが、売れはじめ、人気になると不正。売れずに人気が上がらないと偽装で人気取り。不正や偽装表示はまだまだ止むことを知らないようだ。(03・5/22)
BACK 病原性大腸菌O-157騒動、カイワレ原因説食中毒訴訟控訴審で、国が逆転敗訴。
1996年夏に大阪府堺市で起きた病原性大腸菌O-157による集団食中毒で、当時の厚生省が「原因はカイワレダイコンの可能性」と発表したことからカイワレ大根の生産業者が被害を受けた問題で、「根拠のない発表で打撃を受け、 売り上げが例年の3割まで落ち込んだ」として日本かいわれ協会とカイワレ大根の生産業者が、国に約1億1400万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が5月21日、東京高裁であった。
判決では、「厚生大臣はあいまいな内容をそのまま公表し、カイワレの市場での評価を致命的に棄損した」として、請求を棄却した一審の東京地裁判決を変更し、18業者と業界団体に各40万〜100万円の計1691万円の賠償を国に命じる逆転判決を言い渡した。
今回の裁判では、国の調査の正確性、発表方法、損害の有無、合理性などが争点となった。一審判決は「国の判断に不合理な点はない」として、業者側の請求を全面的に退けたが、東京高裁は、厚生省が行なった疫学調査を検討した結果として「大阪府内の業者の施設からは菌が検出されておらず、まずは、流通経路での汚染が疑われるべきで、カイワレそのものの汚染には疑問がある」と指摘。「中間報告の段階ではカイワレが原因食材と断定できていなかった」として、「カイワレ事業が困難に陥ることが予測できたにもかかわらず、あいまいな内容を記者会見で公表した行為は違法」と結論づけた。
ただ、 国が調査結果を公表することについては「公表すること自体は、情報不足による不安感の除去のため、隠すよりは望ましく、違法はない」とした。これに先がけ、厚生省から一時「犯人扱い」された大阪府羽曳野市の生産業者が国に5250万円の賠償を求めた訴訟では、2002年3月に大阪地裁が「過渡的な情報を公表する緊急性はなかった」として「国の公表で原告は名誉や信用を害された」と認定、国に600万円の支払いを命じている(現在、大阪高裁で控訴審が継続中)。
集団食中毒は96年7月上旬、堺市の小学校を中心に発生し、最終的には小学生ら9000人以上が発症、児童3人が死亡した。発症者が食べた学校給食の共通する食材にカイワレがあったことから、当時の菅直人厚相は、「大阪府内の業者が生産したカイワレが原因となった可能性が捨てきれない」と発表。その後、最終報告に至るまで「カイワレが原因食材の可能性が高い」と発表し続けた。このたため、消費者のカイワレ離れが加速、カイワレは店頭から撤去され、価格も急落した。
業者勝訴の判決に至ったが、肝心の集団食中毒が発生したO-157の原因が一体何であったのかは、いまも不明のままだ。 (03・5/21)
BACK 稲作伝来の歴史にまた新たな分析測定結果。
国立歴史民俗博物館は2003年5月19日、加速器による放射性炭素(C14)年代測定法で福岡市の雀居遺跡(弥生早期)など12カ所から出土した縄文後期から弥生時代中期にかけての土器に付着していたススなどを調べた結果、水田稲作が伝来した実年代は、「紀元前10世紀までさかのぼる可能性がある」「稲作が伝わり弥生時代が幕を開けたのは定説より約500年早い紀元前1000年ころ」との調査結果を発表した。
栽培稲に関しては、これ以前の調査結果では、1999年に縄文時代の貝塚「朝寝鼻(あさねばな)」(岡山市)を調査した岡山理科大の考古学チームが、縄文前期の土壌から稲の細胞に含まれるプラントオパールを発見し、約6000年前に「米作り」が行なわれていたとする調査結果を発表している。
稲作のはじまりを弥生時代とする説と縄文時代とする説に、これまで見解は分かれているが、これらの見解を含め、そろそろ弥生観や縄文観を見直す時期になってきたようだ。(03・5/20)
参考記事バックナンバー:解説/稲作やお米関連のミニ知識「日本の稲作の歴史」
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