●ニュースとしてあらたまって記事にすることでもないが「こんなこともあるらしい」というものを、雑記帳感覚で記載しています。
このページの項目(其の九から其の二十二)
■其の二十二/大漁だね■其の二十一/大麻を飲み込んで密輸した男、逮捕■其の二十/環境庁、いま注目のトキと屋久島で奇策?妙案?それとも名案?■其の十九/老人力でのリサイクル養鶏、菌には勝てず■其の十八/クマ出没注意!■其の十七/東海道は「五十三次」ではなく「五十七次」に、歴史街道ファンの視線が■其の十六/チャールズ皇太子も「遺伝子組み換え食品は大嫌い」と表明■其の十五/たまごっち以来の人気?ファービー人形&ロボット犬アイボ■其の十四/絶滅の危機にあるニホンカワウソ出現?■其の十三/シドニー五輪の聖火リレー出発点で先住民族アボジリニ怒る■其の十二/ヒット商品の形状記憶加工ワイシャツは、やはり怪しかった■其の十一/不景気で大繁盛、土地長者や株長者がなりをひそめ高額納税者は大手消費者金融業者■其の十/売春観光、援助交際、寸止めパブでのご乱行はもう出来ない?■其の九/破綻「長銀」が巨額融資の際に担保設定した絵画、大暴落
■其の二十二/大漁だね宮城県の沖あい、三陸沖など近海巻き網船の本マグロの豊漁が続いているという。塩釜市魚市場の水揚げは、15日〜18日で1200トンを突破。4日間だけで昨年1年間分に並んだ。
カツオもマグロもここ2年間は不漁が続き、今年も漁師は、ふてくされかけていたが、突然の豊漁にビックリ。6月15日を境に本マグロの水揚げが急増した。市場関係者は「たった4日間で10億円を超える売り上げが期待できるのは嬉しいが、あまりにも一気に豊漁になると価格の暴落にもつながるので、コンスタントにならないものか」と、海流や自然や魚まかせの漁業を前に、複雑な表情をしている。
一方、地元民の中には「いよいよ天変地異の前兆?ハルマゲドンも近いのでは」と、この豊漁話を耳にしてちょっと不安を感じている人も出始めた、とか。
■其の二十一/大麻を飲み込んで密輸した男、逮捕大麻樹脂計約355グラムを148個に小分けしたうえビニール袋に包んで一気にゴクリと飲み込み、体内に隠して密輸入した疑いで、インドから全日空機で成田空港に到着した日本人男性が逮捕された。
同空港での最高記録保持者はイギリス人で、1994年に360個、計2140グラムを体内に飲み込んで記録をうち立てたらしいが、日本人がこれほど大量に飲み込んでいたのは初めての記録、とか。今回は、税関検査の際、この男のライターに大麻草が付着していたことから不審に思い、X線で身辺検査を行なったところ、腸の付近にまゆ状の固形物が多数投影された。
東京税関成田支署では「腸はストック箱じゃないし、ビニールが体内で破れた場合は命を落とすこともある。大麻ごときで無茶をするもんじゃない」と呆れているらしい。ちなみに体内に飲み込んだ大麻樹脂計約355グラムの末端価格は約280万円だとか。
■其の二十/環境庁、いま注目のトキと屋久島で奇策?妙案?それとも名案?真鍋環境庁長官は6月12日、来年度予算の概算要求としての奇策妙案を明らかにした。それは、いま注目の「トキの佐渡島」と、世界遺産で人気の「縄文杉の屋久島」を前面に押し出した事業で、その名も「バイオリージョン(生命地域)モデル事業」。
新潟県・佐渡島と鹿児島県・屋久島を対象に、自然と共生した地域社会づくりを目指すというもので、佐渡島では無農薬農業の普及や棚田、森林の復元事業などを展開し、将来トキを野生化させる場合のえさ場や営巣地を確保する。屋久島ではウミガメが上陸する浜の保全や低公害車の集中導入を進める。
モデル事業ではまず、地域の生態系や生活物資、廃棄物の出入りなどを詳細に調査する「地域環境診断」を行なう。そのうえで、将来のあるべき地域社会像についての意見を住民から集め、自然の生態系回復と、廃棄物を出さないゼロエミッションなどを組み合わせた総合的な環境事業を展開する。
事業の継続に必要な資金は、環境庁の自然公園事業や温暖化社会づくりのための補助金などを優先的に充てる。なかなか結構な案だが、環境庁が行なう事業は「前科」が付き物であるため「マユツバ」も多い。
例えば、環境庁が企画承認し、所管の特殊法人「環境事業団」が巨額の財政投融資資金をつぎ込んで建設したものの、5年以上も利用されずに放置され、建設資金すらまったく返済出来ずにいる岡山県玉野市の大規模リゾート施設の不良債権化問題では、環境庁はその建物を「おとなからこどもまで幅広い年齢層に環境問題の重要性を訴える学習センターとして有効利用」という通りの良い大義名分を押し出し、「環境学習センター」として再利用することで補正予算要求。厚顔で損失補填する皮算用を立てたが、大蔵省はこの策略を見抜いてゼロ査定。「環境」に名を借りた「予算確保」と「損失補填」の策略の次は、いま注目の「トキの佐渡島」と、世界遺産で人気の「縄文杉の屋久島」を振りかざした予算確保策で、「トキ」「棚田」「森林保全」「無農薬」「ウミガメ」「屋久島」「低公害車」「共生」「野性化」「廃棄物ゼロ」「環境診断」「生態系回復」などなど、関心度の高い結構毛だらけな「単語」をズラリと並べた奇妙奇天烈(きみょうきてれつ)なもので、「ホンマかいな?」と直感的に思い、怪しがるのは、ヘソが大曲りした私たちだけ? もしかしてこれはホントの名案?
■其の十九/老人力でのリサイクル養鶏、菌には勝てず産卵能力が落ちた鶏など処分寸前の鶏を業者から引き取り、学校給食の残飯、パン工場やスーパーなどから出る食品くずなどの生ゴミを再利用したエサで飼育する養鶏を進めていた茨城県古河市のシルバー人材「リサイクル養鶏・生きいき鶏園」で、鶏を放し飼いにしていた敷地から食中毒の原因菌が見つかり、運営してきたシルバー人材センターが養鶏事業の継続を断念した。
1997年10月、500羽でスタートした養鶏は、お年寄りの熱心な世話と「老人力」の成果で約2400羽に増え、1日平均約800個の卵の販売も好評で定着しつつあった。しかし、卵による食中毒が全国的に問題になり、今年3月、家畜保健衛生所に検査を依頼した結果、鶏と卵からは出なかったものの、敷地内から食中毒の原因菌が見つかった。このため、同センターは「もーケッコウ」として事業中止をあっさり決めた。
お年寄りの自主事業でスタートし、軌道に乗り始めた矢先の事業撤退で、これにかかわってきたお年寄りは「老人力をもってしても菌を完全に除去するのは無理だ」と残念がっている、とか。
■其の十八/クマ出没注意!全国でクマ出没情報やクマとの遭遇で死傷するなどの事故が続いている。
特に6月に入ってから頻繁で、新潟県湯之谷村の尾瀬ケ原の湿原では、歩行者用の木道を散策していた夫婦がクマに襲われ重傷を負い、長野県志賀高原でも山菜採りをしていた男性2人が、クマにかまれたり、ひっかかれたりし、それぞれ顔や肩、手などに約1カ月の大けがをした。さらに仙台市では、山菜採りの男性がクマに襲われてけがをしたばかりか、住宅開発が進む団地近くで、飛び出してきた子グマを乗用車がはね、人間ではなくクマがケガをする自動車事故まで起きた。
「クマ出没注意」で知られる北海道では、「タケノコ園」や「キャンプ場」をはじめ市街地にも頻繁にクマが出没。函館市職員ら3人が死傷するなどの事故が起こり、観光シーズンを前に町では頭を痛めている。山菜採りで襲われるケースは「えさ場を荒らされたクマの反撃」と指摘する声もある。山菜採りブームで、山歩きに不慣れな人も最近ではどんどん入山する。しかし、もともとはクマのすむ所に人間がアツカマシクも入り込んでいくのだから、クマが防衛本能を発揮するのは無理もない。襲われないためには、人間の方が知恵を働かせるしか手はないし、クマに対する最低限の礼儀として鈴を付けるなど、自分の存在をクマに知らせることは必要だ。
この時期は例年ならクマは山林で過ごし、人里近くには出てこないが、“接近遭遇”が連続しているのは、山に入る際の礼儀を忘れ(知らず?)、人間を万物の霊長などと自認し、おごり高ぶる人種が増殖していることに、森のクマさんたちが「これはクマった(困った)ことだ」と嘆き、人間中心にしか物事を考えられなくなってきた動物に、実に素朴な方法で喝を入れたいがため、なのかも知れない。
■其の十七/東海道は「五十三次」ではなく「五十七次」に、歴史街道ファンの視線が東海道は「五十三次」ではなく「五十七次」だったという説が、歴史街道ファンの世界で注目されている。
江戸から京都まで五十三宿と思われている東海道が実は、京都から大阪までの四宿場も加えられ、五十七宿で、正しくは「東海道は五十七次」。
戦前から研究者の論文が出ており、交通史の専門家の間では半ば常識で近世交通史では定説だ、とか。その定説は「徳川家康が豊臣氏を滅ぼした1615年の大坂夏の陣後、徳川幕府が大坂まで延長。京街道の伏見、淀、枚方、守口の四宿を加え、幕府道中奉行管轄の東海道宿駅になったとされる」というもの。実際、専門書だけでなく近年、五十七次説を明記する歴史事典や教科書も登場している。また最近ではこれに注目した枚方市が、枚方文化観光協会が中心になって「枚方を東海道五十六次目の宿場町としてPRしよう」と「東海道五十七次 宿場町イラストマップ」まで作製し、6月3日から発売を開始した。
そのイラストマップを見た枚方市民は「東海道が五十三次と誤解されたのは、安藤広重の浮世絵や江戸時代のベストセラー『東海道中膝栗毛』のせいでっせ。イラストマップも悪くはおまへんが、広重の浮世絵や『東海道中膝栗毛』に次ぐ名作も作って、五十七次を日本の常識にしてんかー」と言っているとか。
■其の十六/チャールズ皇太子も「遺伝子組み換え食品は大嫌い」と表明チャールズ皇太子は6月1日付のイギリス大衆紙『デーリー・メール』に「そもそも遺伝子組み換え食品が必要なのか」「その安全性が本当に確保されているのか」などとする見解を寄稿し、遺伝子組み換え食品の安全性に疑問を抱いていることを表明した。
皇太子はこれまでも有機農業推進派として、科学技術依存一辺倒の近年の動向に対して「神の領域を乱す」などの心配を訴えていた。最近では特にブレア政権下での食品行政を「遺伝子組み換え食品の審査に甘い」と批判すると共に、イギリス国内の環境団体による遺伝子組み換え食品への反対運動が活発になっていることにも理解と支持を示してきた。
イギリス国内のメディアの大半は、遺伝子組み換え食品に対して発がん性の問題を取り上げるなど、安全性を疑問視する報道を続けており、これに今回の皇太子の遺伝子組み換え食品批判が加わったことにより、世論の遺伝子組み換え食品への反対気運がイギリス国内でさらに高まりそうな気配になってきた。「日本の皇太子も社会問題に対する発言を個人の見解として述べてみては如何?」とは、チャールズ皇太子は言っていない、とか。
■其の十五/たまごっち以来の人気?ファービー人形&ロボット犬アイボ「ファービー人形」が発売と同時に人気が沸騰した。5月29日に全国で一斉発売され、それを買い求める客で「たまごっち」を彷彿とさせる列が出来たという。
これはアメリカやカナダなどで人気を呼んでいる「ぬいぐるみ」のようなペット感覚の電子人形で、言葉を飼い主の世話の程度によって話しはじめるというもの。内蔵した半導体によって言語を習得する能力を備えている「日本語版・音声学習機能付きのぬいぐるみ人形」で、高さ約15センチ、定価は3980円という代物。能力も馬鹿にしたものではなく、音や光、振動に反応し、抱き締めたり、遊んであげたりするうちに一つひとつが違った個性に育ち、成長するにつれて言葉を話すようになるという。暗くなると眠り、寝言も喋り、機嫌が良ければ歌ったり踊ったりもするらしい。
また6月1日には、ソニーがインターネットで限定3000台の予約受け付けを始めた子犬ロボット「AIBO(アイボ)」が、受付開始からわずか20分で「完売」となったと発表した。こちらは、1台25万円と高価だが、先月11日の発表以来、ソニー本社には問い合わせが殺到(?)していたという。
この小犬ロボットは約27センチで、音や光、人間の手など、外部の刺激に反応してさまざまな動きを見せてくれるらしい。
この人気に気を良く(欲?)したソニーでは、「将来1家に1台の娯楽ロボットや愛玩ロボットを目指しているので、今回のテスト販売の成果は励みになったワン」と大満足だった、とか。進化する疑似ペットが今後さらに進化して、学習機能付きダッチワイフや恋人もやがて出てきて「愛してる」「もっと」と言い始めるのかも? それとも政治家人形が出てきて国会答弁は、音声学習機能付きのぬいぐるみ人形で十分になる?
■其の十四/絶滅の危機にあるニホンカワウソ出現?絶滅の危機にある国の特別天然記念物「ニホンカワウソ」のものである可能性が高い排せつ物が、高知県佐賀町の海岸で見つかったという。
今年3月に高知大学理学部教授らが岩場で発見し、排せつ物らしきものの内容物(魚のエラ骨やウロコなど)を分析して「ニホンカワウソのものである可能性が高い」と判断した模様。以前から、高知県は「ニホンカワウソ」の生息地として注目され、その可能性の高さが話題になっており、佐賀町の隣の窪川町や窪川町の隣の須崎市など、いずれも海岸線に近い地区で目撃話も頻繁に出ている。
ニホンカワウソはイタチ科の水生ほ乳類で、茶褐色で体長は約70センチ程度。過去に、刺し毛やタール便などの発見もあったが、「イタチだろう」「いやハクビシンのものだ」と、否定的な見方をされるケースが多かった。
今回の発見について、地元住民や周辺住民たちは「フンと(ホント)かよ? らしき足跡や、らしき毛や、らしき姿や、らしきウンコもまっことええが、そろそろ確信を持ってこじゃんと目撃し、しっかりと捕獲してみたいもんぜよ」「調査の空振りが続いて本年度調査予算も前年の約3分の1に削減されたもんじゃき、調査チームがあせっちゅかも知れんぜよ」「クソじゃなくウソか?」とも、言っているとか。
■其の十三/シドニー五輪の聖火リレー出発点で先住民族アボジリニ怒る。来年のシドニー五輪の聖火リレー出発点が、オーストラリア大陸のほぼ中央に位置する「エアーズロック一帯」になったことから、そこの土地所有権をもつ先住民族アボリジニが怒っている。
エアーズロックをアボリジニは「ウルル」と呼び、アボリジニにとっては霊的な力が宿った聖地。だが、世界からの観光客が「オーストラリアに来たからにはエアーズロック見物」と、エアーズロック詣が絶えないことから、これまでも登山禁止や立ち入り制限を求める声が出されていた。アボリジニは約3万5000年前に南アジアからオーストラリア大陸に渡来したとされる。18世紀以降にオーストラリア大陸に入植してきた白人たちに土地を奪われ、多数虐殺されるなど悲惨な歴史も持つ。現在のアボリジニは約30万人とされているが、小さな部族に分かれており、言語も異なる。なかには「テレパシー」で話す部族もいるとされる。
エアーズロックは一枚岩としては世界最大。所有権が1985年に地元のアボリジニ族に返還されて以後、政府がアボリジニから借りる形で国立公園として管理し、観光収入の一部をアボリジニ族に還元している。エアーズロックは、地表からの高さが約350メートルで周囲は約9キロ。砂漠の中にそそり立つ岩肌が太陽に当たると、照射具合で岩肌がオレンジ色から茶色や薄墨色へと変わり、その色合いの美事さで人気は高い。年間約30万人の観光客が訪れ、頂上までの約1・6キロの登山にも多くの人が挑戦し、人気はさらにうなぎのぼり。
それに追い打ちをかけるように「聖火リレー出発点」として決定。しかもアボリジニ初の金メダリストとなったアトランタ五輪の女子ホッケー選手が第一走者に決まってしまい、アボリジニは「聖地が聖火の出発点で第一ランナーがわが部族とはうれしいが、これ以上、観光人気が高まると聖地が荒れて、いずれはただの観光用の整地になってしまう」と複雑な心境で危機感をつのらせている、という。
■其の十二/ヒット商品の形状記憶加工ワイシャツ(形態安定シャツ)は、やはり怪しかったアレルギー性皮膚炎や頭痛など「シックハウス症候群」を引き起こす元凶として知られる有害物質の「ホルムアルデヒド」が、住宅建材や家具の接着剤などばかりではなく、衣類などにも広く含まれていることが、東京都立衛生研究所や名古屋市衛生研究所の実態調査で分かった。家庭用品の詳しい調査結果がまとまったのは今回が初めて。
実態調査結果によると、ヒット商品になっている形状記憶(形態安定)加工が施されたワイシャツの9割、カーテン・カーペット類の6割から有害物質の「ホルムアルデヒド」が検出され、乳幼児用衣類にも含まれていた。家庭用品規制法で定められた肌着類の基準(大人用肌着類は75ppm以下、乳幼児用衣類から検出されてはならないとされている)や、ワイシャツなど中衣類に使う繊維では300ppmを超えないよう指導した通産省通達に当てはめると、それら衣類の3割が基準値を超えているという。
この他、壁紙・ふすま紙、カーテン、カーペット、寝具の殆どからも検出された。また、形状記憶(形態安定)加工された衣類は、主にホルムアルデヒドのガスや水溶液のホルマリンで繊維同士を化学結合させてつくるのが主流であることも判明した。ホルムアルデヒドの強い毒性は、特に皮膚や目、粘膜などに影響する。これまで問題になっていたのは住宅建材などで、知らずに空気汚染された室内でその物質を吸引することで、頭痛、めまい、吐き気などの他、アトピー性皮膚炎を悪化させる人も出ていた。
家も駄目、食も駄目、衣服も駄目の時代。古くから衣食住は人間生活の要(かなめ)といわれてきたが、その要が、化学物質の毒性で総崩れの時代になったようだ。
■其の十一/不景気で大繁盛、土地長者や株長者がなりをひそめ高額納税者は大手消費者金融業者国税庁は5月17日、1998年分の高額納税者を全国524の税務署で公示し、上位100人を発表した。
全体の納税額は前年より低めだったが、99年3月期に過去最高の利益を上げた大手消費者金融の役員ら10人が、昨年を上回る納税額でランク入りした。土地の売買が主な所得の「土地長者」は、地価の下落の影響で過去最低の13人にとどまった。「株長者」も前年より6人減って20人。
確定申告で所得税が1000万円を超えた納税者は前年より1万人少ない約8万4500人だった。これは、ピークだったバブル期(91年)の17万5000人の半分以下。3億円以上のリッチな納税者は前年を下回ったとはいえ64人。5億円以上も23人にいた。また、つかみ分けのような公的資金を投入された都市銀行の代表役員さんらは、役員報酬返上をして高額納税者には位置付かないと思われていたが、決算は経常赤字でもちゃっかり「貰うものは貰う」というご立派な精神を発揮して、あつかましくも名を連ねた。
ちなみちトップは、消費者金融「レイク」の元会長で、過去最高額の69億7178万円も納税した。これは、アメリカGEキャピタルへの営業権の売却と株の配当、自社株の売却益などで所得が膨らみ、納税額が増えた模様。また「武富士」「プロミス」といった消費者金融関係者も上位にランクされた。
銀行から低利で資金を集めて個人や法人に高利で貸すいわゆる「マチキン」さんは、不景気風に乗ってらららルンルン?
さぁ〜あ、われら庶民(貧民)は、1等と前後賞を合わせた賞金が史上最高の3億円になった「ドリームジャンボ宝くじ」でも買ってみますかね。1枚300円で、発売予定枚数は3億7000万枚(1110億円)。12年ぶりに増額された1等賞金は2億円で74本、2等1000万円は185本、3等100万円は1850本。3億円がゲット出来る確率は500万分の1。
だとすると「500万枚買えば3億円が、わが手中に」とは、くれぐれも考えぬこと。それを購入するのには15億円必要になる。
やはり「宝くじ」商売もボロイ儲けで、勧銀もルンルン?
■其の十/売春観光、援助交際、寸止めパブでのご乱行はもう出来ない?18歳未満を対象に児童買春や児童ポルノの製造、販売などを禁止する「児童買春、児童ポルノの行為処罰・児童保護法案」(児童買春禁止法案)が、衆院本会議で可決、成立した。憲法で保障されている表現の自由や個人のプライバシーを侵害しないよう修正し、4月28日に参院を通過していた。
法案は、18歳未満を「児童」と定義。金銭や物などの対償を与えたり約束した上で、児童と性行為や性交類似行為をすることを「買春」として禁止し、3年以下の懲役または100万円以下の罰金。また、18歳未満者の性行為に類する写真、ビデオ、インターネット画像を「児童ポルノ」とし、頒布や販売、製造行為も、3年以下の懲役または300万円以下の罰金になる。
いずれも被害者の訴えを必要としない「非親告罪」で国外での犯罪にも適用される。同法は、情報公開法のように2年後とはいかず年内にも施行される。
これにより、スケベおやじのアジア各国などでの児童買春目的の観光は勿論のこと、中高生との「援交」、少女目当ての「寸止めパブ」でのご乱行などは法律上、出来なくなる?
しかし現代社会が、使い捨てを前提にして少女たちの商品化に走り、少女たちもそれに乗り、「儲けてなんぼ」という勢いで突っ走る限り、法律を設けても根っこの膿(うみ)は取り除くことは出来ない。アルバイト気分で「援交」や「寸止めパブ」で荒稼ぎしていた女子中高生の次のアルバイトは一体何?
■其の九/破綻「長銀」が巨額融資の際に担保設定した絵画、大暴落日本長期信用銀行が一気に経営破綻に向かうのに貢献したリゾート開発会社で知られる「イ・アイ・イ−インターナショナル」が、バブルにまかせて買いあさり、巨額追加融資の際の担保として差し出したミレーやモネ、ユトリロなどの絵画を、画商らに計6億円余で買い取るよう持ち掛けていたことが5月に入って分かった。
「イ・アイ・イ−インターナショナル」社は、これらの絵画をバブル期に計30億円前後で購入。担保物件の名画は、バブル崩壊から長銀の経営破綻を経て、その価値を5分の1に下げた。とはいえ「億」。われわれ庶民はいま、モネの「ジベルニーのモネの家」「セーヌ河の朝」やユトリロの「マルセイユのレストラン」やミレーの「一日の終わり」など、億の価値がある名画を眺めて暮らすより「札束」を眺めて暮らす方が芸術的価値があると思っている?
ちなみに「長銀」が担保設定した絵画は総計で51点。その際の総額は購入時価格で約80億円。「イ・アイ・イ−インターナショナル」社に対する追加融資額は1000億円。同社への支援を打ち切った後の94年、債権処理で絵画の「任意売却」を進めた。その際の画廊鑑定では、時価総額は既に約16億に暴落。「長銀」が売却リストを美術界に流し、一括売却がうわさになったため「長銀」は一度に処分すると大幅な損失が表面化して非難が集中しかねないと考え、小出しにして秘密裏に売却を進めていた。一時国有化後に51点の絵画はすべて任意売却されたと言われているが、実際のとろこすべて売却済か否かは定かではない。