『ナギナタガヤからの革命』
中本貴之・中本裕子著
四六判/192ページ/定価:1600円+税
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柑橘の島として知られる瀬戸内、愛媛県中島町。
怒和(ぬわ)島で40年近く柑橘栽培をする岡野勲さんキヨ子さん夫妻が
10年前に出会った草・ナギナタガヤ。
ナギナタガヤとの出会いが、岡野さんの園地に大変革をもたらし、
今では岡野さんが実践するナギナタガヤを自生させての柑橘の「草生栽培」は
全国的にも注目の的だ。
この岡野さん夫妻の日常の取り組みを
『草(ナギナタガヤ)からの革命』で徹底ルポ。
ナギナタガヤの特性は勿論、岡野さんの栽培技術や栽培方法、
循環の仕組、考え、展望、
そして、
夫唱婦随の農業の姿を
第1章から第5章に分けて鮮明にクローズアップ。
発刊後たちまち大反響!
●ナギナタガヤからの革命・目次●
第1章「なりわいとして営み」「島のミカン農家」「ナギナタガヤという草との邂逅」「草の存在、そして変化」
第2章「百姓の気持ち」「岡野さんちの柑橘畑」
第3章「ある気付き」「有機的な循環ということ」
第4章「島に暮らす」「男と女と平等と」「時代の中の女たちの歴史」「夫唱婦随」「易が解く男と女、そして、物理としての男と女」「二人三脚」「妻・女・そして百姓として」
第5章「時代の流れの中で」「ミカンの島」
ナギナタガヤは春に生えて夏に枯れる。
ナギナタガヤを自生させることで、
園地の保温、保水力は勿論のこと、
VA菌根形成により樹勢が盛んになり、
果樹全般の栽培特性が高度に上がる。
VA菌根菌が土壌で働くと、菌糸の力で養分、
特にリンの吸収を助け、結果的に植物体は、
乾燥ストレスに強くなったり、樹勢が盛んになるなど、
柑橘園には絶大な効果を発揮する。
ナギナタガヤには、VA菌根菌をよく付けるという性格があり、
岡野さんは、10年の栽培を通してこの特性を生かし続けている。
また、
春に生えて夏に枯れるため、
そのまま「堆肥」の役目を果たし、
土が肥沃になる。
勿論、除草作業から解放されると同時に、
悲願でもある除草剤散布からの脱出も可能だ。
春3月のナギナタガヤ
初夏6月下旬のナギナタガヤ
夏、園地をしなやかに覆ったナギナタガヤは
次第に枯れはじめてこのまま堆肥の役目をする。
45度の傾斜地に20段の段々畑を20年かけて築き上げた岡野さん夫婦の
園地は「美事」の一言に尽きる。
今、岡野さんが10年かけて取り組んできたナギナタガヤを自生させての
園地づくりと柑橘栽培の方法が、全国に広がりつつある。
小さな島からの大きな発信。
ナギナタガヤが農業の世界に革命をもたらしはじめた。
※その岡野農園が『ミカン園ドットコム』を開設しました。あわせて岡野農園のホームページもご覧ください。