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歌仙『写楽顔』の巻 捌き:河童

発句

扇以って名句吐きけり写楽顔

河童

吉兆虫の翅たたむ卓

すずめ

第3

田舎家はオープンカフェに装いて

ディジー

義援金箱置いてアピール

サヌキ

望月へ夜汽車まっすぐ走るらん

衣谷

湖岸に沿いて花野ひろがり

葛饅頭

裏1

産土神の巫女爽やかに緋の袴

もくれん

丈比べした懐かしき跡

トシ

UFOを降りたアイツに軟派され

ディジー

金平糖のようなキスする

トシ

学園の六時の鐘の響く街

カキ

火鉢復活食堂の隅

アワ

発案のムーンディナーは河豚づくし

フトマ

提灯記事で出来た行列

衣谷

天邪鬼富士の高嶺で手を翳す

もくれん

10

波に揺らめく逆立ちの影

カキ

11

旅ゆかば秘湯旬菜花の宿

サヌキ

12

うたた寝の間に消える泡雪

ディジー

ナオ1

にこにこと吾子はご機嫌子猫抱き

アワ

誘拐犯と勘違いされ

衣谷

トラブルに映画のロケは中断し

うきふぬ

謝罪マンネリ嘘と方便

フトマ

羅を透かして覘くふたごころ

トシ

梯梧の鉢は亭主在宅

すずめ

麺麭種がぶつくさ膨れ醗酵す

すずめ

日曜座禅修養の会

うきふぬ

このところパリで流行のジャパネスク

衣谷

10

売り上げ伸びるネット販売

アワ

11

始祖鳥の卵にそっと月さして

ディジー

12

穴に惑いて人に見られる

カキ

ナウ1

噂呼ぶ自然薯の出来あっぱれと

フトマ

諦めないで勝ち取った夢

ディジー

満点の答案母は額に入れ

トシ

口笛吹けば山も笑うよ

衣谷

千載に枝伸ばしたる花大樹

カキ

挙句

囀るいのち零さじなゆめ

トシ

2011.5.10起首 2011.8.25満尾


歌仙『詩商人』の巻 捌き:河童

発句

初読の詩はいらんかや詩商人

河童

天の手紙をはこぶ御降

衣谷

第3

紅椿脇往還の静けさに

しおん

雛の宴の準備整い

杉菜

条幅の月の水茎墨おぼろ

アワ

三つ四つ二つ猫の足跡

カキ

裏1

京の寺頓知に闌けた和尚居て

ディジー

末っ娘遂にパラサイト決め

フトマ

夜な夜なに訪うバーチャルの愛の園

トシ

夢うつつなる鬱の妄想

うきふぬ

追ってくる黄泉平坂鬼の群れ

もくれん

有象無象はお盆お休み

サヌキ

弓張の月の夕べは独り酒

フトマ

尾越の鴨のかうかうと啼き

カキ

幼稚園までの寄り道小宇宙

ディジー

10

デイサービスに祖父を任せて

衣谷

11

ふるさとのビデオレターの花田植

うきふぬ

12

垣根に沿うて七変化咲き

薄氷

ナオ1

電波塔日増しに伸びる路地の奥

トシ

また覗き込む古伊万里の壷

すずめ

留学の途次の出逢いは蚤の市

もくれん

手編み襟巻肌身離さず

アワ

冬山に消息絶ちし許婚

衣谷

書いたシナリオごみ箱に捨て

サヌキ

近ごろの烏いささかグルメづき

トシ

権べの畑は豆がざくざく

すずめ

何もかもあっけらかんと大津波

トシ

10

だいだらぼうは団扇忘れる

ディジー

11

消灯を早めて寝床月今宵

サヌキ

12

秋の蛙の声のかすれて

カキ

ナウ1

境内に箒目残る鎮守様

アワ

お客こぼして縄電車ゆく

すずめ

過去未来タイムトンネル工事中

フトマ

雪解風うけなびくストール

衣谷

西行の花を尋ねて草枕

もくれん

挙句

川蜷の棲む流れ清らか

ディジー

2011.1.8起首 2011.4.25満尾


歌仙『船の水尾』の巻 捌き:杉菜

発句

涼しさや一直線に船の水尾

杉菜

みかんの花が咲きそろう島

フトマ

第3

胸中の画材のテーマキャンバスに

ソケイ

ローズウッドのパイプ燻らし

トシ

月の背戸誰がうたうか子守唄

すずめ

山のねぐらに帰る雁

カキ

裏1

秋深く閻魔の庁へ列なして

河童

火の中までも付いて行きます

アワ

禁断の恋に矢切の渡し舟

サヌキ

欠伸噛みつつ閉じるわ印

トシ

手鎖のお沙汰に懲りて筆を絶ち

うきふぬ

遠く近くに百八の鐘

ルリアゲハ

雪吊の縄うつくしく照らす月

ルリアゲハ

赤外線のセンサーを付け

じゃが

幽霊をリサーチせんと学者達

河童

10

胡散臭げにのぞくどら猫

カキ

11

花の宴呑んでうかれて食べ過ぎて

サヌキ

12

春の夢なり渋滞のなか

じゃが

ナオ1

故郷の海にふかふか蜃気楼

ファルコン

中韓露語をのせるラジオ波

カキ

司令受けスパイ工作ぬかりなく

フトマ

素肌美人の柔い物腰

アワ

アトリエは何時か二人の愛の巣に

ファルコン

病魔しずかにしのびよる日々

ルリアゲハ

不如帰ときどき帛を裂くような

トシ

尾瀬の木道よぎる涼風

三毛

撮影の準備はすべて整いて

河童

10

ポケット壜をぐいとひと口

カキ

11

月仰ぎ増税煙草根っこまで

フトマ

12

鬼の捨子が父よ父よと

河童

ナウ1

村中が総出で沸きし宮相撲

すずめ

寅の口上立て板に水

トシ

今日もまた土手に寝転び白日夢

サヌキ

鉄橋渡る電車のんびり

ルリアゲハ

手をつなぐ園児の列に花の舞う

アワ

挙句

天にとどけと揺らす鞦韆

トシ

2010.6.9起首 2010.11.3満尾


歌仙『今朝の春』の巻 捌き:トシ

発句

雪掻きの音引き寄せし今朝の春

トシ

淑気みなぎる木匠の里

河童

第3

四世代食住共に受け継ぎて

サヌキ

心は錦襤褸を纏えど

舞楽

漕ぎ出せば縮緬波に揺れる月

カキ

遠く棹なす雁の列

アワ

裏1

初猟のやまびこ響く九十九折り

フトマ

殺生駄目と嘆願の妻

アワ

手を繋ぐミイラが二体掘り出され

サヌキ

マジックショーのここが観せ場と

河童

晴れやらぬ献金疑惑だまし舟

カキ

なんじゃもんじゃの大木の影

河童

翔びたてと指でつついたてんとむし

じゃが

昼月ほのと佐久の草笛

河童

鯉こくと美酒にほろ酔い川の風

舞楽

10

土下座で伸ばす仕事締切り

フトマ

11

木に登る花咲河童一目見む

アワ

12

ニンフのアワの渡る初虹

河童

ナオ1

赤福の土産いらぬと伊勢参

サヌキ

民草凛と雨風に勝ち

フトマ

ゆるやかな時の流れに竿を差し

杉菜

床一面に山積みの本

カキ

孕み子に妻は声かけ毛糸編む

アワ

餌付け狸が横恋慕する

河童

親鸞が證誠寺で跳ねる夢をみて

フトマ

フォッサマグナの秘める天変

カキ

ジャパンアズナンバーワンも懐かしく

カキ

10

振り返るとき見えてくるもの

河童

11

月今宵かぐやと嫦娥競う道

サヌキ

12

時節わろしと蛇穴に入る

カキ

ナウ1

夜長には虚実混合逸話聞き

サヌキ

ぬるめのお湯でほぐす肩こり

じゃが

アメリカの孫とメールのやりとりを

アワ

誕生日とて贈るグローブ

カキ

はなびらを吹き上げ空は万華鏡

河童

挙句

はるかに霞む瀬戸跨ぐ橋

執筆

2010.1.1起首 2010.5.20満尾


歌仙『吊尾根』の巻 捌き:フトマ

発句

行合の空を渡るや吊尾根路

フトマ

身も軽がると玉兎跳躍

カキ

第3

初物の松茸飯に箸取って

ウサギ

ガイジンさんが粋な和服を

ぴ〜まん

絵筵で真打ち披露常置小屋

サヌキ

大川の端わたる涼風

トシ

裏1

忍び寄る黒船国のさだめ変え

カキ

慣れぬ手つきで使う鍬鎌

アワ

確かめてみる唇の柔らかさ

じゃが

死の床にふと愛人がいて

ほろよい

聴こえきたエリーゼの曲イ短調

ぴ〜まん

クラッカーにはジャムとチーズを

じゃが

月は冴え御子を尋ねる牧者達

じゃが

狼のぞく岩山の影

カキ

首尾うまく隠し金塊ひとり占め

ぴ〜まん

10

マルサのガサで振り出しの朝

舞楽

11

散り際の潔きさま花吹雪

うきふぬ

12

鯛網揚ぐる声のそろいて

じゃが

ナオ1

働けど身過ぎ叶わぬ啄木忌

トシ

60$ですべてデジタル

ぴ〜まん

似て非なるレンジとガスの調理法

アワ

嫁姑のバトルたけなわ

カキ

呪い釘離婚覚悟の熱帯夜

ぴ〜まん

笑うが如く郭公が啼き

サヌキ

白樺を縫う銀輪の列長く

トシ

筋肉痛は次の次の日

じゃが

近頃は孫の小遣い妙に増え

アワ

10

ピースボートで世界漫遊

サヌキ

11

月の宴ライスワインが受けに受け

サヌキ

12

幽人枕に載せる煩悩

じゃが

ナウ1

軒下の蟋蟀の声透き通り

アワ

稽古帰りの剣士足早

トシ

老骨に一鞭くれて裁判員

カキ

砂と見まごうちさき貝がら

じゃが

湖の小舟を染める花筏

舞楽

挙句

軟東風頬にえくぼくっきり

執筆

2009.8.19起首 2009.12.29満尾


歌仙『寒九の雨』の巻 捌き:カキ

発句

万物に寒九の雨の恵みかな

カキ

瑠璃誇らかに龍の髯の実

河童

第3

フルートのミニコンサート始まりて

ゆうゆう

船のロビーに集う人々

うさぎ

さんさんとしろがねの降る月の道

アワ

門の庇に蓑虫の影

うさぎ

裏1

ふところをさぐりつ新酒盃重ね

じゃが

聞き覚えあるかおり仄かに

トシ

恋の道行こか戻ろか思案橋

フトマ

阿六櫛買う煩悩の僧

河童

山脈を染める茜に鴉溶け

アワ

蛍袋に詰められし夢

ユマ

月宮を刺繍でえがく蜘蛛の糸

河童

ブログに綴るきょうのあれこれ

ユマ

パリポリと塩煎餅を齧りつつ

ゆうゆう

10

犬の散歩は僕の担当

ユマ

11

回天の意気に殉じて花吹雪

ウキフヌ

12

初虹かかる瀬戸のしまなみ

フトマ

ナオ1

春炬燵沙翁全集繙いて

トシ

寮雨降らせし頃の懐かし

トシ

何時の間に姉さん女房の尻の下

ユマ

追えば逃げゆく熟年の愛

アワ

H1N1変異株となり

じゃが

裏の林で梟が啼く

うさぎ

リメイクの忍者映画は凝りに凝り

フトマ

鋤鍬鎌で迎え討つとき

じゃが

こめかみの汗ぬぐいとるいとまなく

じゃが

10

激辛ラーメン評判の味

うさぎ

11

月の出に鳴る街角の大時計

うさぎ

12

ふと気が付けば敬老の日か

アワ

ナウ1

碁会所の馴染みはちょいと秋思顔

トシ

秘蔵の無煙パイプくわえて

フトマ

過疎の地へ迷わず向かう若き医師

遊歌

陽光浴びる背開きの魚

じゃが

山肌の花マチエール淡く濃く

ほろよい

挙句

佐保の里にも姫神の笑み

じゃが

2009.1.9起首 2009.8.6満尾


歌仙『サングラス』の巻 捌き:河童

発句

深海のごとき街なりサングラス

河童

駅まで続くサルビアの花

ゆうゆう

第3

ひねもすを画架に向かいし人がいて

ユマ

白い仔犬のじゃれる足元

ウサギ

中天の月に笛の音届くらん

ひびき

句帖にひょい止まる蟋蟀

トシ

裏1

蓮は実に飛行神社の守り札

タミ

ネットで越える遠距離の恋

フトマ

くちびるの色はワインに輝ける

じゃが

あしたはきっと雨もあがるさ

ユマ

地下足袋の小鉤ゆるめる縁の端

アワ

とぐろ巻きたる雪吊りの縄

ウサギ

こそ泥は入り難かろ寒の月

ゆうゆう

床にごろ寝の大愚良寛

ウキフヌ

真打の新作ねたは上首尾で

ひびき

10

「はとバス」ツアー企画好評

フトマ

11

初めての花の日本にワンダフル

アワ

12

春の味覚に舌鼓うち

ゆうゆう

ナオ1

降誕会張り子の象のお通りだ

ウサギ

株価指数に踊る国柄

サヌキ

この道はいつ来たのかも忘れ果て

じゃが

認認介護うるわしき仲

トシ

行水の餅肌いたく褒められし

ユマ

百日草の今日も咲き継ぎ

ひびき

丹精に糠床交ぜる習いなり

アワ

木屑払いて鬼女の面打つ

ウサギ

縞リスが可愛い姿見せる頃

ゆうゆう

10

GPSで緯度経度決め

カキ

11

月の辺を巡る地球のまるまると

トシ

12

ふくべ枕に仙人の夢

ウキフヌ

ナウ1

給付金民に故なく障子貼る

マナテイ

富士の絵柄を透かす技巧派

フトマ

はんなりと公家の末裔名乗り出て

ひびき

ひいな遊びに香を焚き染め

ゆうゆう

花筏分けて悠々河童殿

トシ

挙句

長閑に暮れる語り部の里

ウキフヌ

2008.7.1起首 2008.12.28満尾


歌仙『富士の山』の巻 捌き:河童

発句

竹馬の太郎またぐや富士の山

河童

日脚も伸びて石敷の路地

しおん

第3

岡蒸気茶房の棚に並ぶらん

ウサギ

ギター爪弾くなつかしの曲

ひびき

十三夜ポッケに夢を詰め込みて

ユマ

どんぐりころりころりころころ

フトマ

裏1

蓑虫に公案解けと修行僧

アワ

口には出せず心迷わす

サヌキ

肖像画誰を描いても君に似る

ウサギ

旅の宿りは鞄ひとつで

タミ

最果ての海の匂いのしるき島

ゆうゆう

魚竜の化石こんな所に

カキ

懸賞の論文了えて月涼し

トシ

カーネーションを母に供えむ

ユマ

町おこしライフワークと肩を入れ

ひびき

10

笑顔握手でつなぐ人の輪

しおん

11

宇宙より「きぼう」は無事と花の風

夕子

12

野末めざして駆ける若駒

ひびき

ナオ1

イースター神父の大き木靴鳴る

ウサギ

何でも彼でもデジカメで撮り

ゆうゆう

別嬪に意外な黒子二三粒

トシ

女形の役で手相占い

アワ

狐火がまことしやかにゆらゆらと

ユマ

解けかけている小さき雪像

ゆうゆう

お宝が無ければ土蔵開け放ち

夕子

昔分限者今素寒貧

しおん

サーカスのジンタ流れる遠い街

ウサギ

10

ファンタジックにそよぐ白萩

ひびき

11

帰る子を夕月ずっと守るかに

ゆうゆう

12

行き交う人の秋思こもごも

ユマ

ナウ1

静かなる七堂伽藍鳩の啼く

しおん

信州土産黄楊の箸置き

マナテイ

還暦の五臓六腑に沁みる酒

アワ

郷の渡しも水温む頃

うさぎ

遠景にビルあり花の盛りなる

ユマ

挙句

領布靡かせて笑まう佐保姫

ひびき

2008.1.5起首 2008.6.21満尾


歌仙『風光る』の巻 捌き:カキ

発句

風光る里に弾むやランドセル

カキ

分校包む百千鳥の音

アワ

第3

春蘭をひと筆で描く墨冴えて

夕子

桐の小箱にしまう練り香

ユカ

名園を幾世渡りて今日の月

ウサギ

舟に網干す秋の砂浜

夕子

裏1

誘われて金刀比羅祭の人込みに

ウサギ

ピアス失くして探していたら

タミ

お目覚めはカーテン揺れる彼の部屋

アワ

玉子焼き又黒こげとなり

ウサギ

未確認飛行物体来襲す

じゃが

悍馬の背なにしがみついてる

じゃが

寒の灸して爺ちゃんの武勇伝

ウサギ

月の夜ごろに寝酒呑み過ぎ

フトマ

朋友のクセ字のはがき書架の脇

アワ

10

雲の流れて運ぶほろ苦

夕子

11

飛花落花コンチェルトはいま終章に

ウサギ

12

カゴいっぱいの光蝦干し

じゃが

ナオ1

野遊びのおでこの瘤はちちんぷい

ウサギ

先住民の秘薬盗まれ

夕子

あら不思議ジャングルの猿妙に増え

アワ

出来ちゃった婚いやと言わせぬ

サヌキ

学究の彼を支える左褄

ウサギ

鉄に負けないカーボン繊維

じゃが

禅師説く魚心には水心

フトマ

引越蕎麦に添えるハンカチ

しおん

与野党の連立目指し衣替え

フトマ

10

博物館で今日も見た顔

じゃが

11

まん丸な月がニッコリ笑いかけ

サヌキ

12

まわれ止まるなぼくのべい独楽

じゃが

ナウ1

絵心をそそる在所の柿すだれ

しおん

峰々続く落人の村

アワ

ケイタイで映画監督指図する

夕子

真昼の空へ向かう尖塔

しおん

軽やかにしなやかに舞う花の精

ユキ

挙句

夢の境地にあそび春眠

サヌキ

2007.4.19起首 2007.12.29満尾


歌仙『竹伐るや』の巻 捌き:あかつき

発句

竹伐るや峡の谺す幾曲り

あかつき

梁瀬をかわし跳ねる落鮎

サヌキ

第3

相伴の茶碗に月の射し込みて

うきふぬ

旧仮名遣い便り受け取る

夕子

語部の所作の可笑しさ大らかさ

つわき

上がり框に並ぶ雪沓

ウサギ

裏1

里までも熊の出没ひんぱんに

アワ

秘かな想い頼もしい背ナ

しおん

パリダカで姫レーサーの牛蒡抜き

カキ

トランプ占いダイヤのセブン

ウサギ

ぼそぼそと論理学史を講義する

じゃが

折り目のとれた上着大きめ

アワ

月昇り今が佳境の本祭り

ハナ

鞍馬天狗の立板古見て

ウサギ

おいどんとべらんめとが話し合い

じゃが

10

蛙が首を擡げたる井戸

カキ

11

花の舞う造り酒屋の土の塀

アワ

12

風の集まる風車売り

ウサギ

ナオ1

幼な等の歓声に湧く潮干狩

ハナ

そぞろ浮き浮きウクレレの曲

アワ

熟年と呼ばれて嬉し旅の空

夕子

君の瞳にピント合わせて

じゃが

煖炉燃え思いの丈を絡めあう

ハナ

木の葉時雨の通る裏山

ウサギ

埋蔵金地図の見つかる古祠

ウサギ

ラッシュ通勤夢ははかなく

アワ

迷い鳩脚環の主に返されて

カキ

10

宇宙衛星無事に定位置

夕子

11

SFの幻想描く美術展

うきふぬ

12

推理小説閉じる有明

ウサギ

ナウ1

寝台車稲架掛け並ぶ窓の外

アワ

コーヒーの香の漂ってくる

ハナ

マーブルのアンモン貝を手でなぞり

タミ

知人見つけるにぎわいのなか

じゃが

川沿いに雪洞続き花の舞い

アワ

挙句

棚田にうらら浮雲の影

執筆

2006.9.20起首 2007.4.12満尾


歌仙『蝶凍つる』の巻 捌き:カスミ

発句

蝶凍つるあえかな色を抱きつつ

カスミ

棚田の島に香る寒梅

サヌキ

第3

久々に家伝の琴を爪弾きて

カキ

置かる湯呑みに茶柱が立ち

ウサギ

月煌々天気予報の大当たり

夕子

美術の秋もいまやたけなわ

リラ

裏1

ハロウィーン子等に用意の菓子包

みう

合コン企画手替え品替え

フトマ

爺様の夜這話は明るくて

ゆうゆう

鍬を立て掛け昼休み刻(どき)

アワ

パリダカの車列を包む砂ぼこり

カキ

GPS(ジイピイエス)の時代到来

サヌキ

何曲も「中島みゆき」聞き続け

じゃが

名酒に香魚月と語れり

みう

蚊帳を吊り農家民宿ひっそりと

フトマ

10

火除け魔除けで家内安全

じゃが

11

花びらを透かした陽差し身に浴びて

アワ

12

仔猫を膝にままごとの孫

夕子

ナオ1

磯開き弾みし声の其処此処に

しおん

病室の窓閉じてリハビリ

フトマ

差入れのダビンチコード一気読み

カキ

雲走り行く鐘の鳴る街

うきふぬ

君を待つ指切りをした丘の上

ウサギ

いつまで続く遠距離の恋

アワ

闇汁の箸にずるずる懸かるもの

ウサギ

炬燵の隅に隠すへそくり

夕子

足軽も大大名にならんとて

じゃが

10

生きとし生けるものを惜しみつ

リラ

11

飛ぶがごと千日回峰月天心

カキ

12

熊野の森を叩く啄木鳥

アワ

ナウ1

蝋石の線路のびゆく路地の秋

ウサギ

宝物まで詰まるポケット

じゃが

父の船大漁旗がへんぽんと

夕子

屋根葺く人に届く潮騒

ウサギ

北国へカメラ担いで花を追う

うきふぬ

挙句

霞棚引く遠の峯々

アワ

2006.1.10起首 2006.9.17満尾


歌仙『山笑う』の巻 捌き:カキ

発句

この星の生の恵みや山笑う

カキ

しぶく早瀬に踊る若鮎

ウサギ

第3

花菜漬白磁の皿に盛り付けて

アワ

遠路の客に久の一献

フトマ

待宵の御箱ひと節国訛り

みう

柿の伐られて宅地整い

夕子

裏1

足掻けども課長止まりか暮の秋

さと

囲碁を楽しむひとの背中に

新人まさし

涙して娘の打ち明ける恋心

ウサギ

友の垣根を越えるふんぎり

ミライ

小糠雨供華濡らしいる事故現場

みう

マロニエ並木歩む名優

サヌキ

月の出に犬橇の綱引き寄せて

さと

炭焼き小屋に続く踏み跡

アワ

新しきオルガン届く保育園

ウサギ

10

難民一家ほっと微笑む

夕子

11

巨樹古木包み込むよに花簾

フトマ

12

光る水面に動き出す蝌蚪

みう

ナオ1

伊予柑を渡船に託す島暮し

サヌキ

産土神は掃き清められ

アワ

相性もホシも知らず好きな人

夕子

ボディートークで越える一線

フトマ

共白髪番茶漬物野良仕事

サヌキ

水で洗った縄文の土器

ウサギ

遥かなる夕焼けの空床しくて

さと

馬に癒され夏富士の裾

アワ

太極拳登校拒否児の声弾み

夕子

10

スケッチ帳で創作童話

みう

11

屋根裏の葛篭に望の月明かり

ウサギ

12

余韻ほのぼの秋祭り終え

フトマ

ナウ1

顔役のこれ見よがしの赤い羽根

さと

さりげないのが本物と知り

サヌキ

十年後庭師の技が輝いて

フトマ

香りほのかなお濃茶の席

アワ

爛漫の花惜しみなく京の径

みう

挙句

浮かれ心にそよぐ春風

じゃが

2005年4月2日:起首 2005年12月15日:満尾


歌仙『山開き』の巻 捌き:カキ

発句

湧き水や喉にしみこむ山開き

サヌキ

時折聞こゆ駒鳥の声

アワ

第3

ニュータウン花壇係の役を得て

夕子

友を誘いてハーブティー飲む

フトマ

名月に海風そよと吹く波止場

ミナオ

忘れ帽子に赤とんぼ舞い

ミナオ

裏1

只不動秋の静寂に坐りおり

フトマ

イラク支局に転勤の命

アワ

ハンカチの口紅(べに)跡撫でて偲びつつ

夕子

エンドレスなる久々の声

ハナ

蓄音機蔵の闇から引き出され

サヌキ

地域起こしのミュージアム建つ

アワ

つちのこのポスター冷える月明り

ウサギ

暖簾くぐっておでん焼鳥

夕子

密談もリークされたる猿芝居

フトマ

10

ちょっとだけよと貸した消しゴム

ウサギ

11

花爛漫かごめかごめの輪を広げ

ウサギ

12

城址鎮もる春宵のなか

夕子

ナオ1

碑の殿様蛙身じろがず

アワ

行く時惜しむ入相の鐘

サヌキ

久闊の友を迎えて呉の町

アワ

戦艦大和宇宙で人気

フトマ

シネコンのデートにあわや遅れかけ

カキ

永久(とわ)の契りに燃えてひと夜を

サヌキ

ああ神よサヨナラだけが人生か

フトマ

トラに打ち込む満塁ホーマー

フトマ

歳わすれ複雑骨折救急車

サヌキ

10

クッキー缶に折り鶴を盛る

ウサギ

11

月静かの寝顔に寄り添いて

アワ

12

タウンハウスに揺れる虫籠

夕子

ナウ1

白壁を映して鮭の遡る川

ウサギ

若手の杜氏快挙金賞

サヌキ

FAXがフルに動いて紙を吐き

カキ

電光ニュース春一番と

夕子

太郎冠者小手をかざせば花の雲

ウサギ

挙句

畑打つ傍で踊る野の鳥

フトマ

2004年7月9日:起首 2005年3月14日:満尾


歌仙『春の波』の巻 衆議判

発句

始めてのWebで連句春の波

アワ

柳は緑ふわっと揺れる

ハチ

第3

巣立鳥大空目指し飛び立ちて

アワ

豊作願い田打見つめる

サヌキ

まん丸の月はにこにこ山の上

アワ

縁から下りて虫を追う子等

ハチ

裏1

秋の夜はインターネットが辞書代わり

アワ

そっと検索あのひとの名を

サヌキ

ベッカムはニッコリ ファン大フィーバー

とも

スカウト走り躍る札束

しんちゃん

欲とボケ官業政のダラ施策

サヌキ

友愛リング未来を繋ぐ

アワ

道標ここから行けと夏の月

サヌキ

浴衣姿の母に似てきて

とも

里帰り安産願う観音堂

アワ

10

さざなみ寄せる 入り江のどかに

とも

11

花筵島の人々集い来て

アワ

12

歌って踊って春はくれつゝ

アワ

ナオ1

「おはよう」の声が出ぬまま すれ違い

キク

慕う想いを背中でキャッチ

フトマ

ディズニーのおみやげ抱え こっくりこ

アワ

トナカイ列車 星空に舞う

サヌキ

白銀にシュプール描く喜寿のひと

フトマ

夫婦漫才 絶妙の域

フトマ

大入りの地方巡業最終日

アワ

温泉街に響く下駄の音

サヌキ

一句詠み坊ちゃん団子に舌鼓

アワ

10

瀬戸のしまなみ月夜に映える

フトマ

11

早生みかん潮風受けて実り待つ

サヌキ

12

農協出荷取り止める秋

アワ

ナウ1

全権を息子に譲る歳となり

アワ

バッグひとつで世界一周

フトマ

足るを知り反戦平和祈るのみ

サヌキ

芽吹くいのちやそよそようらら

サヌキ

初孫はよちよち歩く花の下

アワ

挙句

庭いっぱいにシャボン玉飛ぶ

アワ

2003年3月28日:起首 2004年6月6日:満尾