連句しませんか。

第1回山口県総合芸術文化祭連句大会

会場:山口県防府市・毛利本邸(毛利氏庭園・毛利博物館)

第2回山口県総合芸術文化祭「連句大会」
第3回山口県総合芸術文化祭「連句大会」
第4回山口県総合芸術文化祭「連句大会」
第5回山口県総合芸術文化祭「連句大会」

▼2012年▼
第6回山口県総合芸術文化祭「連句大会」

連句大会記録集・発刊案内


「其の一」

開催会場存分味わう

   

 今回、2007年11月25日開催の連句大会(第1回山口県総合芸術文化祭連句大会)会場は、代表的な近代日本庭園として高い評価を得ると共に国指定名勝でもある、2万5000坪の広大な「毛利氏庭園」並びに近代和風建築の粋を集めた1200坪の「毛利邸」を選定して、皆様をお迎えし、江戸時代の御殿さながらの規模や装飾の妙が味わえる毛利邸の大広間で、連句実作会を存分にお楽しみ頂きました。


(山口県防府市・毛利氏庭園)

妙味

「其の二」

堪能三昧

 公爵の地位にあった旧萩(長州)藩主・毛利氏の本邸は現在、「毛利博物館」として毛利家に伝来する美術工芸品・歴史資料約2万点(うち国宝7点、重要文化財約9000点)を収蔵しています。

 連句大会当日には、「毛利博物館」で年1回の『国宝・特別展』が公開され、雪舟筆「四季山水図」(国宝・全長16メートルの巻物)のほか、利休茶道具など、貴重な文化財の数々を鑑賞三昧しました。

 そしてさらに、重厚かつ幽玄の気分を味わえ、明るく華やいだ貴族的な庭相の妙が堪能出来る「毛利氏庭園」で、紅葉したモミジと共に深まる季節の風情を存分に堪能しました。

堪能

「其の三」

前夜祭気分満喫

 連句大会前日の11月24日は、日本三大天神のひとつ、菅原道真で知られる防府天満宮で西日本屈指の荒祭り『裸坊祭(御神幸祭)』が盛大に実施され、文字通り迫力満点の「前夜祭」気分が満喫できました。

満喫

「其の四」

まったくの初心者だって遊べます

 「初心者体験コーナー」では、言葉と心の響き合い、連句に触れてウキウキワクワク、参加者は大いに楽しみました。

楽しさ

「其の五」

観世流能楽『仕舞』公演が実現

 連句大会開会式典では、長宗閑祥会による観世流能楽「仕舞」公演が実現。

仕舞 『笠之段』     長宗敦子
地謡:水木 浩・長宗一雄・千住昂之

【仕舞】能楽形態の一つ。本来の能は長時間にもおよびますが、その見どころの部分だけを短時間で、能面・能衣装・囃子・大道具を用いずに紋付袴姿で、地謡だけをバックに舞うものです。

 国内でも数少ない女性能楽師・長宗敦子さんの舞う「笠之段」、水木 浩・長宗一雄・千住昂之3氏の地謡。旧くから俳諧(連句)師に多大な影響を与えた「能楽」。その伝統芸能が醸し出す日本の美を味わうことが出来ました。

【仕舞・笠之段】能「芦刈」にある見どころの一部。
 
津の国・難波に、貧しさゆえに別れた夫婦がいた。女は都で貴人に仕える生活をし、難波に残る男は芦を売り歩く生活をする。そんなある日、従者を伴い里帰りした女が、難波の春の浦に夫を捜しにやってきた。夫とは知らず芦売に声をかける従者。妻の一行とは知らず面白く囃しながら芦を売る男。一行に対して男は、問われるままに仁徳天皇の皇居があった御津の浜の由来を語り、興に乗って笠づくしの舞いを見せる。
「難波の春と言えば梅。その梅に鶯が戯れると花笠が縫われる。鳥といえば、カササギは笠の名を持っており、カササギが飛ぶ空には月が光る。月の笠とは天の乙女の衣笠なのでしょうよ。ここ難波の乙女たちは、雨が降ると袖や肘を笠の替わりにするのです。雨の芦辺には波が打ち寄せて、ざらりざらり、ざらざら、ざっと芦がなびくさまは、まるで風が簾を吹き上げるような、面白い景色なのであるよ」
 その笠づくしの舞いが「笠之段」である。

 やがて芦を手渡すところで男は妻だと気付き、夫は今の己の有様を恥じて身を隠してしまう。だが妻は自ら夫の心を解きほぐし、和歌を詠み交わし、別離後の恋しさを語り合う。そして再会を果たした二人は、再び心を通わせ、一緒に暮らすのだった。

伝統

前夜「裸坊祭」+国宝展鑑賞+庭園散策+能楽公演+連句実作=贅沢な「和三昧」

第1回山口県総合芸術文化祭
「連句大会」プログラムの大枠

11.24(土曜日)

【前夜祭】18:00
(裸坊祭・御発輦見物)

11.25(日曜日)連句大会

【吟行会&式典】09:00〜12:00
(国宝特別展鑑賞・観世流「仕舞」公演など)

【連句実作会】12:00〜16:00

「連句大会」を終えて

■第1回山口県総合芸術文化祭「連句大会」はご参集くださったご連衆並びに一般の方、そして関係各位のご協力により終始、和気藹々かつ盛況裡に実施することができました。
■西日本屈指の神事・御神幸祭(裸坊祭=防府天満宮)は想像以上のスケールでびっくり。最も良い場所で御網代輿の御発輦が観覧できたことは、とても幸いでした。参道は11万人を超える見物客で身動きできないほど大賑いでした。
■毛利博物館での「特別展・国宝」は、見事な16メートルの雪舟筆『四季山水図』や国宝の数々に感嘆。さらに、紅葉ピークの毛利氏庭園の散策は絶景そのものでした。
■続いての毛利本邸2階大広間で行なった開会式典に於ける開催記念特別公演、観世流能楽「仕舞」演目『笠之段』の長宗敦子さんの舞いは、今まで接したことのない幽玄の美で、能楽という摩訶不思議な世界に、150名を超える観客が、まばたきもできないくらいの魅力で引き込まれていきました。伝統芸能の素晴しさ、そして継承されている熱意もひしひしと感じ取れるものでした。
■それらを経て、さて午後からの連句実作会は、といいますと、どっしりした毛利本邸1階大広間の風格と、寛容な静けさに包まれて、皆さんはノリノリ。形式自由にしておりましたので、なかには歌仙を巻き上げる座、二十韻を巻き上げる座、もあり、11の座(60名)が驚くほど早いペースで進んでおりました。
■最も驚いたのは、連句未体験の初心者体験の座です。講師を宮下太郎さんにお願いし、座名を「松陰」(吉田松陰)にしたこともあり、寺子屋の如く連句講習が進み、あっという間に半歌仙が巻き上がっておりました。
■初心者体験の座は、当日参加者ですので、どんな人が来るのか不明。そんな中で、途中退席を含め8〜10名の方が連句実作を真剣に体験されておりました。最後まで居た方たちは6名にものぼり「機会があればやってみたい」の感想を口にされておりました。勿論、連句実作の雰囲気を毛利博物館・国宝展観覧ついでに「どんなの?」と目にしていった人たちは多数いた模様で、連句の認知度がアップしたことは間違いありません。
■当日、前日と、素晴しい小春日和の恵みが加わり、皆様、おおいに「一期一会」の妙味をご堪能頂いたご様子でした。

【大会事務局:連絡先】
〒746-0025 山口県 周南市 古市 2-3-43
やまぐち連句会事務局
Phone.0834-62-1400

主催:山口県・山口県教育委員会・山口県文化連盟・やまぐち連句会
後援:防府市・防府市教育委員会・防府市文化協会・防府毛利報公会


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