●復興担当大臣になったばかりの松本龍氏は7月2日、就任後初めて被災地入りしたが、周囲から酷評され、結果的に5日、辞任した。辞任の理由は「個人的な理由なので話せない」とし、復興については「岩手でキックオフして、3日でノーサイドになった。相変わらず嫌いな与野党だが、心を合わせて復興に取り組みたい」と述べた。
彼は、東日本大震災の復興に取り組む復興相に、防災相と兼務する形で6月27日に就任していた。
就任当初、今後の自分の姿勢について記者団に「私自身はあまり東京にいることなく、被災地に行き、ご用聞きのように住民の意見を聞いていきたい」と述べたにもかかわらず、3日、宮城県庁を訪れた際には、ご用聞きであるはずの姿勢が「お客さま、松本龍様」に急変。村井知事が出迎えなかったことで顔色が変わったお客さまの松本龍様は、県庁応接室で県知事に対して「いまあとから入ってきたけど、お客さんが来るときは、自分が入ってきてからお客さんを呼べ。いいか? 長幼の序がわかっている自衛隊ならやるぞ。わかった? しっかりやれよ」と、日常生活の一般常識すら分かってない=一般常識は、1)最初にお客を応接室に通す。2)挨拶してお茶を出す。3)そのあとでお迎えする側の本人が応接室に入る。4)まずはお客が頭を下げて「お忙しい折にお邪魔して恐縮です」と謙虚に挨拶する。=この順番と礼儀すら知り得ていないボンクラぶりを発揮。被災地住民のみならず国民を大いに落胆させる滑り出しとなっていた。
さらに、被災地の復興について、ご用聞きのはずの松本お客さまは「知恵を出したところは助けるけど、知恵を出さないやつは助けない。そのくらいの気持ちを持って」と述べるなど、常に、上から目線に終始する役立たずぶりを如何なく発揮していた。
また、松本ご用聞きは取材陣に向かっても「今の最後の言葉はオフレコです。いいですか、皆さん。絶対書いたらその社は終わりだから」と発言するなど、随所でボンクラぶりを披露していた。
これを受けてTBC東北放送では、ニュースで「松本龍復興担当大臣が就任後はじめて、今日、宮城県庁を訪れましたが、村井知事が出迎えなかったことに腹を立て、知事を叱責しました」と説明すると共に、ニュースキャスターが「宮城県庁を訪れた松本龍復興担当大臣。村井知事が出迎えなかったことで顔色が変わります」「数分後、笑顔で現れた村井知事が握手を求めようとしますが、これを拒否。応接室に緊張が走ります」と解説して松本お客さまぶりやボンクラぶりを如何なく放送。ストレートニュースの基本に則って
「(村井知事が)先にいるのが筋だよな」や「(水産特区)は県でコンセンサス得ろよ。そうしないと我々何もしないぞ。ちゃんとやれ」「いまあとから入ってきたけど、お客さんが来るときは、自分が入ってきてからお客さんを呼べ。いいか? 長幼の序がわかっている自衛隊ならやるぞ。わかった? しっかりやれよ。今の最後の言葉はオフレコです。いいですか、皆さん。絶対書いたらその社は終わりだから」と言っているシーンをまるごと報じるのであった。
これらに関して本人は4日、「発言は問題ない」「釈明が必要な内容ではないはずだ」との見解を表明。自身の発言に被災地で反発が広がっていることについては、「言葉足らずだったり、私は九州の人間ですけん、ちょっと語気が荒かったりして、結果として被災者の皆さんを傷つけたということであれば、おわび申し上げたい。私はちょっとB型で短絡的なところがあって、私の本意が伝わらない部分があることはさっき女房からも電話がありましたし、反省しなければならないと思っています。このまま、真っすぐ前を向いて復興にあたっていきます」と述べていた。
しかし、「このままだ」と困るし、真っすぐに向けない者の口から「真っすぐ」と言われても困るし、「結果として被災者の皆さんを傷つけたということがあれば、おわび申し上げたい」などと言われても、結果として、昔から言われている「馬鹿につける薬はない」困った状態だった。
松本龍プロフィール
福岡県福岡市出身。部落解放の父と呼ばれた松本治一郎の養孫。養祖父の代からの土建屋「松本組」に養われた。中央大法学部政治学科卒。1980年、父松本英一(参議院議員)の秘書となる。
1990年の第39回衆議院議員総選挙に日本社会党から出馬して初当選。以後7回連続当選。現在は福岡県第1区。
1996年、社民党を離党して旧民主党結党に参加。
部落解放同盟副委員長、部落解放同盟の幹部として人権擁護法案を推進、日韓議員連盟常任幹事、国労組合のJR採用差別闘争にも関与。
福岡県内の暴力団との関係が深いとされる。2000年10月17日には松本組を継いだ実弟の自宅玄関ドアに数発の銃弾を撃ち込まれる事件が発生したこともある。自身は顧問を務めるが、松本組の実質的な経営者。
2008年度の国会議員の所得公開では国会議員でトップの8億円超えの所得を得ていた。
そんな彼には良寛の言葉を捧げよう。そして、被災地に多額の義援金を寄せて、国会議員も今期限りでやめることをおすすめする。
一、口を守れ(言葉を慎め) 二、心を節せよ(心を安定し思いを慎め 三、慚恥(恥じ入ること)を知れ 四、堪忍(堪えるべき時は耐え忍べ) 五、独り住め(独り静かな時を持て) 六、食を節せよ(粗食せよ、大飲大食を避けよ)
生涯 身を立つるにものうく 騰騰として 天真に任す 嚢中 三升の米 炉辺 一束の薪 誰か問わん 迷悟の跡 何ぞ知らん 名利の塵 夜雨 草庵の裡 双脚 等閑に伸ばす
菅政権が、迅速な復興を最優先に掲げて新設した閣僚だったが、就任わずか9日目に辞任したことで、政権運営が厳しさを増すのは必至の情勢になった。
野党は首相の任命責任を追及する構えであることから、これがきっかけで、退陣時期を曖昧にして居座りを続ける菅首相に対して印篭が渡せることにでもなれば、松本龍氏の評価は一転して「大絶賛」に変わることになる。
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