▽米・オバマVSイスラエル・ネタニヤフ会談、中東和平への突破口は開かれず依然として停滞。(5月20日) |
●5月18日、ホワイトハウスで行なわれたオバマ米大統領とネタニヤフ・イスラエル首相との首脳会談では、中東和平実現に向けての突破口を開くことは出来なかった。
一部の報道では、オバマ米大統領が、中東紛争の解決策としてパレスチナ国家樹立による2国家共存を目指す考えをあらためて明示したのを受けて、ネタニヤフ首相が「和平交渉を即座に開始したい」と応じた、と報じられたが、実際には会談で、イスラエル側は「イラン核問題を解決しない限り、パレスチナとの和平交渉は進められない」と頑として突っぱねた模様だ。
ネタニヤフは、パレスチナ国家の樹立や、パレスチナ自治区でのユダヤ人入植地の建設中止について一切語らず、逆に、和平の前提として、イスラエルがユダヤ国家として認知される必要性を強調した。また、イランがイスラム武装勢力ハマスを支援しているとして、この問題を解決しない限り、パレスチナとの和平交渉は進められないと訴えた。2時間を超える会談の後、記者会見したオバマはまず、イラン核開発への深刻な懸念を表明。ネタニヤフの立場に理解を示し、「イラン核開発はイスラエルと米国にとっての脅威」と強調した。
パレスチナ側には「米国がイスラエルに圧力をかけるのは無理」との冷めた見方が依然根強く、有効な打開策を示せないままのオバマへの失望は、今後さらに深まりそうだ。
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