座の仕組みと連句のすすめかた
●座の仕組み●
文音(ぶんいん)といって、WebやFAX、ハガキなどですすめる方法もありますが、連句は、人と人とが集って行なうのが「基本」です。人数は、何人でも構いませんが、最低、3〜4人は欲しいところです。
麻雀(マージャン)をやる時、最低4人の面子(めんつ)を集めるのと同じです。ジャン卓を囲む時、一人ではやる気がまったく起きないし、二人ではシラケるし、三人ではいまいちフィットしませんよね。(麻雀経験のない人は、野外バーベキューの雰囲気をイメージしてみてください。一人や二人ではドッチラケですよね)
連句では、集った人たちを「連衆」と言い、その場を「座」と言います。そして、連衆が座で連句をつくっていくのを「巻く」と言います。
「巻く」にあたっては、一人、進行役となる人を置きます。その人を「捌き(さばき)手」と呼びます。「捌き手」とは、鍋を囲んで美味しい鍋料理を堪能する時に存在する「鍋奉行」のようなものです。
鍋奉行が、鍋料理を一応、仕切るのと同じで、捌き手が、座を一応、仕切ります。
100人、200人が集ると一人の捌き手では、間に合いませんので、5人1グループにするなどして分けて、個々に捌き手を置きます。
●連句のすすめかた●
連句は、最初に五・七・五(長句)をつくり、次は、七・七(短句)をつくり、その次は五・七・五の句をつくり、そのまた次は七・七の句をつくり、と、これを連々と続けていきます。
とはいえ、一度、連句を始めたら、「エンドレス状態で際限なく続けていく」というわけにはいきません。何事をするにしても区切りが必要です。一応、最も基本になるのが「歌仙」と称され、三十六句で区切りをつけます。これを「歌仙を巻く」と言います。
連衆が座で歌仙を巻くとなると長時間を要しますので、現在はケースバイケースで、十八の句で区切りをつけたり、二十の句で区切りをつけたりと、様々です。
最初に五・七・五の句をつくり、次は、七・七の句をつくり、その次は五・七・五の句をつくり、そのまた次は七・七の句をつくり、と、やっていくのを「句をつける」と言います。
どのように句をつけるのかというと、人と人との「会話」と同じです。相手の言葉を受けて返事をしたり、イメージを膨らませて話をはずませる、あるいは深化させる、はたまた気分を変えるために違う話題に転じる、などなどを、五・七・五の句をつくり、次は、七・七の句をつくり、その次は五・七・五の句をつくり、そのまた次は七・七の句をつくり、と、やっていくのです。
会話だと声を出してやりますが、句づくりは、基本的に短冊(たんざく)に書いてすすめるのが一般的です。
連衆が座で句を付けすすめていく方法としては、「出勝(でがち)」と「膝送り」があります。
出勝とは、連衆の間で句を付ける順番を決めずに、良い句を出した者が何句でも採用されながら付けすすめていく方法です。
とはいえ、最初は、発句以下順に、連衆全員が一巡する=それぞれ一句ずつ付けていくように配慮する=ことが必要です。膝送りとは、連衆の間で句を付ける順番を決めてすすめていく方法です。
連衆の人数や、その場の情況ですすめていく方法を決めますが、捌き手を置く場合は、出勝が一般的になっています。
連衆が自分の句を短冊に書いて、それを座の中央に置きます。連衆から出された短冊すべてに捌き手が目を通し、その中から捌き手が一句選び、連衆の前で決めます。それを「治定(じじょう)する」と言います。
治定するにあたっては、その句を手直しする場合もあり、これを「一直(いっちょく)する」と言います。
その治定された句を受けて、連衆がイメージを膨らませて次の句を付けていきます。
捌き手を置かないで連衆みんなで治定していく方法もあります。これを「衆議判」と称します。
最初は、五・七・五からです。基本的には、その最初の句を「発句」と言い、それを受けて付ける句を「脇句」と称します。
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