「セクハラ」や「ドメスティック・バイオレンス=DV」の加害者は「男」と相場が決まっていた。しかし、時代や状況の変化に敏感に反応したかの如く、「妻から暴力」がじわじわと増えて、哀しくも男が相談に駆け込んだり泣きつくケースが増えてきたという。
元来、恐妻家な方は言わずもがな、女性の恐さは身にしみて分かっておられよう。「DVだ!」と一言で済ますことが出来ないほど忍耐とご機嫌とりのキャリアを積んでいるのだから。
東京都が、昨年7〜9月の3カ月間に相談窓口「配偶者暴力相談支援センター」や各保健所に寄せられた男性からの電話相談内容を分析したしたところ、4割が女性から「暴力を受けた」と回答していることが分かった、という。
相談件数56件のうち22件が女性から「暴力を受けた」と回答した。身体的暴力は16件で、殴る&蹴る+ものを投げつける。ほかにも「凶器を突きつける」「首をしめる」などの怖い回答もあった。
定番の夫婦喧嘩だと笑って済ませればいいのだが、そうもいかないようだ。
精神的暴力を見ると、「怒鳴る」が12件、「脅す」も12件。しんどい環境に押しやられる「外出制限」が3件、いやな覗き見の「携帯電話のチェック」が2件、自尊心が痛く傷付く「かい性なし」と言われるのが2件。このほか「小遣いを渡さない」の兵糧攻めもみられた。
エキサイトしたケースでは「もっと働け、クズ」「実家に泣きついてカネ持ってこい」などの露骨な言葉を浴びせられたり、殴られて肋骨を折ったり熱湯をかけられたりのバイオレンスを訴えるケースも確認されているという。
多分これは、ほんの氷山の一角に過ぎない、と直感的に思うのは、やはりキャリアを積んだ恐妻家な方たちだろう。
警察庁のDVに関する報告などを見ると淡白な行政文書であるがゆえに逆にリアルさが増す。今や「民事不介入」「犬も喰わない」「放っておけばいい」という状況ではないのが行間に漂っている。
○被害者は、女性に限られず、男性が被害者となる場合もあります。
○配偶者には、婚姻の届出をしていない、いわゆる「事実婚」も含まれます。
○離婚後(事実上離婚したと同様の事情に入ることを含みます)も引き続き暴力を受ける場合も含まれます。
【精神的なもの】心無い言動等により、相手の心を傷つけるものです。
○精神的な暴力については、その結果、 PTSD(外傷後ストレス障害)に至るなど、刑法上の傷害とみなされるほどの精神障害に至れば、刑法上の傷害罪として処罰されることもあります。
男女共同参画社会論やジェンダー論もいい。しかし、男性受難の時代であることは間違いなさそうだ。だったらこのへんで、恐妻家な方たちに集合願い、その傾向を涙ながらに語って頂き、特許にも値するであろう「その対策」をしんみりと語って頂くというシンポジゥムの開催が必要になってきているのかも知れない。
女性は元来、強いものだが、男性陣がからっきし弱くなってきたのは確かだ。強いことを誇る日本柔道界に於いても同じなのだから、一般人は推して知るべしである。100キロ超級の男性陣のふがいない戦いぶりに呆れた篠原信一・全日本男子監督が「どいつもこいつも、全体的に男が草食動物で女が肉食動物の感じだ」と実感のこもったため息をついたのだから、武道を会得していない一般人はなおのこと「草食」と「肉食」は身につまされる。
聞くだけ野暮というものですが、あなたは、女性からコケにされていませんか? 筆者は? とお尋ねか。連日連夜の大コケは言わずもがなだが、不幸中の幸いか、DV被害を訴えるまでには今のところ辛うじて至ってはいない。「時間の問題さ」と言い賜うことなかれ。